大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)271号 判決

の一字が朱書されているが、写書としての作成の日時、場所、目的、作成者の署名、捺印、資格等は全く表示されていない為これらの事項は総て不明な上、その用紙、葉間の契印すらないので、同書面が特に信用すべき情況の下に作成されたものか否か又その記載の供述そのものが任意に為されたものか否か等も知る由がない。故に斯る書面は法定の形式を具備しないものであつて、之を犯罪認定の証拠に供することは正当ならずと謂わざるを得ない。尤も原審第七回公判調書によれば同公判廷において被告人及び其の弁護人は之を証拠に供することに同意したことは明らかであるが、右の如き証拠能力の欠缺が右同意によつて補正されるものとは解し難いから、之を引用して前記犯行認定の証拠に供した原判決には此の意味において訴訟手続上法令違反あり且つその違反が判決に影響を及ぼすこと明らかであるから、原判決に此の点において既に破棄を免れない。

論旨は理由がある。

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